凪ぐ湖面のように
「ハァーッ?」と小町さんと湖陽さんに、同時に呆れ声を出され、笑われた。
「何この子、面白い!」
「だろ? 超お気に入り」
珍しい。湖陽さんが人前で笑っている……いや、それよりも人格が変わっているように思う。
「夕姫が見合い、ぶち壊してこいって」
「あら、最高だわ。ちょうどそんな展開になってきたところなの」
おかしい……何かがおかしい。
今回の見合いの片棒を担いだのは……小町さん、貴女ではなかったのか?
――なのに何? ぶち壊してもいいわよ、みたいなその発言。
そこでフト思い出す。毎週金曜日夜十時放送の『奈落の愛男(あいだん)』小町さんが出演するドロドロ愛憎渦巻く連続ドラマを……。
そうだ、見合いだ! 先週の場面を思い出す。小町さん扮する貴美子叔母の策略で、主人公の桜智が見合い相手と――男女逆だがまんまじゃないか!
そうだった、このお方、演技でリアルを求めるあまり、私生活でも役になりきるんだった。
ゴシップが少ないのは、記者はおろかパパラッチさえもそれを知っているからだ。だから、余程のことがない限り記事にはならないと聞く。
そんな、誰もが認めるゴーイングマイウェイな人だった。
「何この子、面白い!」
「だろ? 超お気に入り」
珍しい。湖陽さんが人前で笑っている……いや、それよりも人格が変わっているように思う。
「夕姫が見合い、ぶち壊してこいって」
「あら、最高だわ。ちょうどそんな展開になってきたところなの」
おかしい……何かがおかしい。
今回の見合いの片棒を担いだのは……小町さん、貴女ではなかったのか?
――なのに何? ぶち壊してもいいわよ、みたいなその発言。
そこでフト思い出す。毎週金曜日夜十時放送の『奈落の愛男(あいだん)』小町さんが出演するドロドロ愛憎渦巻く連続ドラマを……。
そうだ、見合いだ! 先週の場面を思い出す。小町さん扮する貴美子叔母の策略で、主人公の桜智が見合い相手と――男女逆だがまんまじゃないか!
そうだった、このお方、演技でリアルを求めるあまり、私生活でも役になりきるんだった。
ゴシップが少ないのは、記者はおろかパパラッチさえもそれを知っているからだ。だから、余程のことがない限り記事にはならないと聞く。
そんな、誰もが認めるゴーイングマイウェイな人だった。