凪ぐ湖面のように
「キス紛い?」
フーンと湖陽さんは鼻を鳴らし、「だったら」と、いきなり真顔になる。
「マジでキスしていいの? こんな風に」
言うが早いか湖陽さんの唇が私の唇を塞いだ。明らかにさっきとは違う。
「目は瞑った方がいいな、いくら僕でも恥ずかしい」
少し離れた唇が囁く。ハッと我に返り離れようとするが、湖陽さんの腕がしっかり私の腰をホールドしていた。再び落ちた唇がチュッとリップ音を立て離れる。
「えー、やだぁ」
「嘘ぉー」
女性の声が近付いてきたからだ。
「残念、続きはまた今度」
湖陽さんは何もなかったかのように、再び手を繋ぎ歩き始める。
女性たちの声がどんどん近付いてきて、「こんにちは」と言って追い抜いていく。
私のような擬きではなく、正真正銘の森ガール三人組だった。
三人は私達を追い抜くと、キャッキャと声を上げる。
「見たぁ、すっごくカッコイイ人だったね」
「彼女も可愛かったね」
「いいもん見れたね。ご利益ありそう!」
噂通り、やはり彼女達も、恋愛成就のために滝に行くようだ。
しかし、いいもんって、動物園のパンダじゃあるまいし……。
――って! それよりさっきのキスだ。何てことをするんだ!
フーンと湖陽さんは鼻を鳴らし、「だったら」と、いきなり真顔になる。
「マジでキスしていいの? こんな風に」
言うが早いか湖陽さんの唇が私の唇を塞いだ。明らかにさっきとは違う。
「目は瞑った方がいいな、いくら僕でも恥ずかしい」
少し離れた唇が囁く。ハッと我に返り離れようとするが、湖陽さんの腕がしっかり私の腰をホールドしていた。再び落ちた唇がチュッとリップ音を立て離れる。
「えー、やだぁ」
「嘘ぉー」
女性の声が近付いてきたからだ。
「残念、続きはまた今度」
湖陽さんは何もなかったかのように、再び手を繋ぎ歩き始める。
女性たちの声がどんどん近付いてきて、「こんにちは」と言って追い抜いていく。
私のような擬きではなく、正真正銘の森ガール三人組だった。
三人は私達を追い抜くと、キャッキャと声を上げる。
「見たぁ、すっごくカッコイイ人だったね」
「彼女も可愛かったね」
「いいもん見れたね。ご利益ありそう!」
噂通り、やはり彼女達も、恋愛成就のために滝に行くようだ。
しかし、いいもんって、動物園のパンダじゃあるまいし……。
――って! それよりさっきのキスだ。何てことをするんだ!