凪ぐ湖面のように
「何を笑っているの?」
湖陽さんが顔を覗き込む。
近い近い! このお方、時々、パーソナルスペースが崩れるから厄介だ。
「放送後の夕姫さんが楽しみだなって……近いです、もう少し離れて下さい」
ズズッと後ろに身を引いた途端、ズルッと足が滑り倒れそうになる。
それを「おっと」と湖陽さんが抱き締め阻止する。
「本当、貴方達って仲がいいのね」
盛大な誤解をする友枝女史。
「そうだ、結婚はまだでしょう? 私、結婚式で司会をやってあげる。勿論、今日のお礼としてだからタダで。佐藤君も! 貴方、撮影するのよ!」
有無も言わさぬ迫力。おまけに湖陽さんまで、「その節はよろしくです」なんて言っているし、ノリのいいのも……本当に困ったものだ。
「放送は十二月一日、午後十時です」
流石、水谷さん、プロデューサーだけある。
そうです。さっさと締めて解散しましょうと心の中で拍手する。
「クリスマスと年末年始のカップル、及び、独身女性に向け発信する予定です。それで……」
ムフフと水谷さんは策士な笑みを浮かべる。
湖陽さんが顔を覗き込む。
近い近い! このお方、時々、パーソナルスペースが崩れるから厄介だ。
「放送後の夕姫さんが楽しみだなって……近いです、もう少し離れて下さい」
ズズッと後ろに身を引いた途端、ズルッと足が滑り倒れそうになる。
それを「おっと」と湖陽さんが抱き締め阻止する。
「本当、貴方達って仲がいいのね」
盛大な誤解をする友枝女史。
「そうだ、結婚はまだでしょう? 私、結婚式で司会をやってあげる。勿論、今日のお礼としてだからタダで。佐藤君も! 貴方、撮影するのよ!」
有無も言わさぬ迫力。おまけに湖陽さんまで、「その節はよろしくです」なんて言っているし、ノリのいいのも……本当に困ったものだ。
「放送は十二月一日、午後十時です」
流石、水谷さん、プロデューサーだけある。
そうです。さっさと締めて解散しましょうと心の中で拍手する。
「クリスマスと年末年始のカップル、及び、独身女性に向け発信する予定です。それで……」
ムフフと水谷さんは策士な笑みを浮かべる。