凪ぐ湖面のように
「見て分かるように、二人って元々は犬猿の仲だったんですよ。それが社長、水谷プロデューサーの父親なんですが、気付いて、『犬猿の仲もご利益あり』ってベタな特集組んで、二人をくっ付けちゃったんです」
何それ? 本当にノリで結婚しちゃったんだ。
「で、あとで社長にコッソリ聞いたんですが、水谷さんって昔から天邪鬼で、好きなものほど遠避ける傾向があるんですって」
ということは、本当は友枝女史が好きだったってこと?
「結局、社長は公私混同で番組を作り、息子に嫁を娶らせ、番組も大成功に導いたってことです。俺、すっごく尊敬しているんです社長のこと」
佐藤カメラマンがペラペラ話す横で、水谷プロデューサーの顔がドンドン赤くなっていく。照れているのではなくて怒りでだ。
案の定「佐藤、シャーラップ! お前の口、仕付け糸で縫ってやろうか!」と地を這うような低い声で怒鳴った。
なのに佐藤カメラマンは顔色も変えず、ヘラヘラ笑いながら「だから、その息子に目を付けられたお宅達、きっとストカーも真っ青なぐらい今後も絡まれますよ」と怖いことを言う。
水谷さんにも聞こえたのだろう、一転、ニヤニヤ笑い始める。その顔も怖い!
何それ? 本当にノリで結婚しちゃったんだ。
「で、あとで社長にコッソリ聞いたんですが、水谷さんって昔から天邪鬼で、好きなものほど遠避ける傾向があるんですって」
ということは、本当は友枝女史が好きだったってこと?
「結局、社長は公私混同で番組を作り、息子に嫁を娶らせ、番組も大成功に導いたってことです。俺、すっごく尊敬しているんです社長のこと」
佐藤カメラマンがペラペラ話す横で、水谷プロデューサーの顔がドンドン赤くなっていく。照れているのではなくて怒りでだ。
案の定「佐藤、シャーラップ! お前の口、仕付け糸で縫ってやろうか!」と地を這うような低い声で怒鳴った。
なのに佐藤カメラマンは顔色も変えず、ヘラヘラ笑いながら「だから、その息子に目を付けられたお宅達、きっとストカーも真っ青なぐらい今後も絡まれますよ」と怖いことを言う。
水谷さんにも聞こえたのだろう、一転、ニヤニヤ笑い始める。その顔も怖い!