不思議の国の恋の音
今の隣のその隣
「ど、どういうこと…です、か?」
「冴島があなたの過去を作り直して今のこの未来を変えてあげるという話をしています」
無表情な彼女は顔色一つ変えずに言った。
「ちょ、ちょっと待ってください!私は今、とても幸せですし満足しているんです!私からアイドルを引いたら何も無いんです!」
「幸せそうに満足した方のために社長は冴島に命令致しません」
…っ!?
「どういう…」
「社長は貴方が“今”に苦しんでると見ました。だから冴島を担当に貴方をカコメイクの選抜者にしました」
「くる、しんでる…?」
そんな…なんで……
「冴島も社長も貴方の苦が見えました。貴方はまだ自身で理解できず、それを納得できない故に隠してしまっています」
「ちょ、ちょっと何言っているか…」
「これから冴島の働く会社『カコメイク社』に来ていただきます」
「え!?」
待って待って…話が急すぎて何が何だか…
「待ってください!私には、これから歌の練習もあるし、そんな茶番に構っていられる暇ないんです!」
「何が茶番なのか冴島は理解できません。そろそろ貴方にも分かっていただけないと冴島の堪忍袋の緒が切れそうです」
な、なんで逆ギレされないといけないの…
「お願いします、橘ことりさん」
「っ!」
深く頭を下げられた。
「きょ、今日だけ…ですからね」
仕方なく歌練をキャンセルし、『冴島さん』についていく形で同行した。
(いや、待って…なんか怪しくない?急に私の前に現れて『会社に来てください』だなんて…ま、まさか拉致…?誘拐?)
さっきまで怖かった夜道を何も感じなくなるくらい不安を抱いていた。
「目、閉じていただけます?」
「へ?」
目を閉じろ?!完全な拉致発言じゃないですか!?
「なっ、何を…っ」
「いいから」
この人、本当に女性…!?
瞳から街灯の光が消えた。
「冴島があなたの過去を作り直して今のこの未来を変えてあげるという話をしています」
無表情な彼女は顔色一つ変えずに言った。
「ちょ、ちょっと待ってください!私は今、とても幸せですし満足しているんです!私からアイドルを引いたら何も無いんです!」
「幸せそうに満足した方のために社長は冴島に命令致しません」
…っ!?
「どういう…」
「社長は貴方が“今”に苦しんでると見ました。だから冴島を担当に貴方をカコメイクの選抜者にしました」
「くる、しんでる…?」
そんな…なんで……
「冴島も社長も貴方の苦が見えました。貴方はまだ自身で理解できず、それを納得できない故に隠してしまっています」
「ちょ、ちょっと何言っているか…」
「これから冴島の働く会社『カコメイク社』に来ていただきます」
「え!?」
待って待って…話が急すぎて何が何だか…
「待ってください!私には、これから歌の練習もあるし、そんな茶番に構っていられる暇ないんです!」
「何が茶番なのか冴島は理解できません。そろそろ貴方にも分かっていただけないと冴島の堪忍袋の緒が切れそうです」
な、なんで逆ギレされないといけないの…
「お願いします、橘ことりさん」
「っ!」
深く頭を下げられた。
「きょ、今日だけ…ですからね」
仕方なく歌練をキャンセルし、『冴島さん』についていく形で同行した。
(いや、待って…なんか怪しくない?急に私の前に現れて『会社に来てください』だなんて…ま、まさか拉致…?誘拐?)
さっきまで怖かった夜道を何も感じなくなるくらい不安を抱いていた。
「目、閉じていただけます?」
「へ?」
目を閉じろ?!完全な拉致発言じゃないですか!?
「なっ、何を…っ」
「いいから」
この人、本当に女性…!?
瞳から街灯の光が消えた。