不思議の国の恋の音
「お気づきになりましたか」
見たことのない天井だった。
フローラルな香りに包まれた白だらけの部屋の中、私はふかふかのベッドに寝ていたようだ。
「っ!!ここは…っ」
「『カコメイク社』フリールームです。先程は手荒な真似をしてしまってすいませんでした」
奥からマグカップを2つ持った冴島さんが来た。
薄らコーヒーの香りがした。
「手荒な…?」
「はい。あまりにも抵抗するので薬を使わせていただきました」
冴島さんは、ベッドの傍にある白色のソファーに腰掛け、白のテーブルに2つのマグカップを置いた。
「薬!?」
「心配はご無用です。冴島が使ったものは国が公認した安全な薬ですので」
明るい部屋で見ると、冴島さんの顔がはっきりと見える。綺麗な顔立ちだ。
「それにしては…」
「そんな話は置いといて、これからの話をしましょう」
そ、そんな話!?
なに、この『冴島』と名乗る(綺麗な)女性…っ
敬語なのに失礼な物言いじゃない…?
「もう1度これからのことを確認するために言います。私は『カコメイク社』の冴島昂桐。貴方…橘ことりさんのカコメイクの担当をすることになりました」
「…は、はあ」
「カコメイクとは被験者が選ぶことが出来なかった第2の人生を歩むために過去を作り直すという企画です」
やはり、『過去を作り直す』という表現は気に入らなかった。
「」
見たことのない天井だった。
フローラルな香りに包まれた白だらけの部屋の中、私はふかふかのベッドに寝ていたようだ。
「っ!!ここは…っ」
「『カコメイク社』フリールームです。先程は手荒な真似をしてしまってすいませんでした」
奥からマグカップを2つ持った冴島さんが来た。
薄らコーヒーの香りがした。
「手荒な…?」
「はい。あまりにも抵抗するので薬を使わせていただきました」
冴島さんは、ベッドの傍にある白色のソファーに腰掛け、白のテーブルに2つのマグカップを置いた。
「薬!?」
「心配はご無用です。冴島が使ったものは国が公認した安全な薬ですので」
明るい部屋で見ると、冴島さんの顔がはっきりと見える。綺麗な顔立ちだ。
「それにしては…」
「そんな話は置いといて、これからの話をしましょう」
そ、そんな話!?
なに、この『冴島』と名乗る(綺麗な)女性…っ
敬語なのに失礼な物言いじゃない…?
「もう1度これからのことを確認するために言います。私は『カコメイク社』の冴島昂桐。貴方…橘ことりさんのカコメイクの担当をすることになりました」
「…は、はあ」
「カコメイクとは被験者が選ぶことが出来なかった第2の人生を歩むために過去を作り直すという企画です」
やはり、『過去を作り直す』という表現は気に入らなかった。
「」