BAD BOYS
「ーーー!!!」
誰かの話し声で目が覚めた。
起き上がった瞬間に、頭に鋭い痛みが走る。
ああ、そういえば殴られたんだっけ?
と頭に手をやると布の感触。
手当、されてる?
「...っ、!!」
やばい!!!
バッと服を捲りあげるが、そこはまだ青黒くなった傷が露わになっていた。
よかった...服の中の怪我はバレてないみたいだ。
つーか、あの女の子の家なのかな?ここ。
ベッドから起き上がり、扉の方へと向かう。
扉は隙間が空いており、外の様子を伺うことができた。
「で?誰だったんだ?」
金髪の髪の男が鋭い瞳を向かいにいる女の子に向ける。
あ、あの女の子助けてくれた子。
茶髪でふわふわパーマ。
かっわいいなあ、天使。
「三宅、ということしかわかりません。この免許証も名前のところが血で汚れてて、読み取れませんでした。」
そんな金髪に答えたのは黒と茶色のツートンカラーでお洒落なメガネをかけている人。
何処と無く、冷たい雰囲気を纏っている。
「三宅ェ?は、それだけじゃ何もわかんねェだろ。」
「そーそー、やつが北のやつだったらどうすんのさ~?」
金髪の冷たい言葉に、ゆるゆる~とした口調の男が同調する。
'キタ'か。
この街で最も治安の悪い地域。
数年前までは、東とも西とも同盟を組んでいたのに、急に方針を変更。
南と手を組んで、悪さをし始めた地域。
何があったかなんて、誰も知らないだろう。
「知らないやつをな~んでこんな所に連れてきちゃうのかなあ?」
「っ...」
泣きそうな顔で、俯く女の子に、遂に我慢の限界で、
俺は扉を開けて女の子をゆるゆる~とした口調のやつの視線から遠ざけるように後ろに隠す。
俺のせいでこんなに責められてるんだ、この子。命の恩人が責められているのに、黙って見過ごすほど、俺は最低じゃないね。
「この子を責めるのはお門違いデスよね。」
俯いた彼女の頭に手を載せて、大丈夫ですか?と声をかける。
彼女は目に溜まっていた涙をぬぐった後、ゆっくりと頷いた。
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