最後の1球
ある夜。
ピンピロリン。
携帯が鳴った。
「・・空野」
【今からお前ん家行くけど・・いい?】
よく、こういう日が多くなった。
公園で、野球の話をしてもらう日が。
【いいよ。家の鍵、開けとくね!】
【了解!】
なんで、気づかなかったんだろう。
あの人がいることに。
ピンポーン。
空野?
開けとくっていったのに。
「そら・・!」
扉を開けると・・・。
「おにい・・ちゃん」
ドクン。
「亜恋・・俺のこと、好きに・・?」
「違う・・!ちが・・あッ」
お兄ちゃんに、キスされた。
「やめてよ!」
あたしは急いで自分の部屋に行く。
「亜恋?来てよ。」
「いやだよ・・!行きたくない!」
それでも近づくお兄ちゃん。