最後の1球




「ねぇ、言いたいことがあるんだけど」


ちょっと悲しい顔をして、俺の目を見る。


「なに?」


「・・あたしのお父さんとお母さん、別れた」


ってことは・・


例の兄貴とはもう一緒に居なくていいってことか?



「よかったジャン。解放されて」



「うん・・でもね・・」



「空野ー!大丈夫かぁー!?」


生崎が言いかけたとき、大沢登場。


コイツ、ほんとKY。


「あッ、じゃぁあたし戻るね」


生崎は保健室を出て行く。


あ・・そういえばここ、保健室だった。


「抜け駆けすんなよ?」


「わかってるっつの」



大沢はやっぱり一筋だ。


見かけによらず。


大沢は外見は怖い。


・・・・チャラい。


俺はというと、ただの坊主頭の野球バカ。


その辺にいるヤツさ。





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