最後の1球
「あ~・・一応?」
「マジか!そのこ、連れて来いよ!」
「マジっすかぁ?・・わかりましたよ」
俺はしぶしぶ了解した。
次の日の朝。
ホームルームの時間、少しだけ先生がいない時がある。
その時間に、俺は聞いてみた。
「生崎、あの・・さ、マネージャーやってみねぇ?」
「ハ・・?マネージャーって・・空野が入ってる・・野球部の!?」
生崎が目をまんまるにして言う。
あ、ちょっと可愛いかも。
なんて思ったり。
「そうだよ。先パイがさ、マネージャー欲しいって言ってさ・・?ダメかな・・?」
生崎は、しばらく考えた。
「・・・足手まといになっちゃうかもしれないけど・・いい、よ・・?」
ちょっと戸惑いながら、下を向きながら目を上にして、答える。
「マジ・・?サンキュウ!」
「えへへ。でも、ほんとに何もできないよ?ルール知らないし・・・」
「そこは俺が教えてあげるよ」
「・・・ありがと」
小さな微笑でそう答えた。