最後の1球
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「お前、バッカじゃねぇの?」
あの後、俺と生崎はきまづいまま部活を終了した。
俺は暗い顔をして、家へ帰ると、幼なじみの結衣奈が居た。
結衣奈は、超がつくほどの男前。
結衣奈には、彼氏がいて、よく相談に乗ってる。
「ハア・・お前さぁ。俺がヘコんでるんだから、もうちょっと優しくできないわけ?」
「できるわけねぇだろ、どっからどうみてもバカだっつーの!」
「その男の言葉やめろ!」
「うっせぇなぁ。別にいーじゃん。」
「あ、話戻るけど。なんであんた嘘ついたわけ?」
それは・・・
それは・・・。
「大沢が、生崎のことが好きだから。俺、大沢のこと裏切りたくねぇし」
「バッカじゃないの?そこで遠慮すんの?カッコ悪!」
・・・・・・・しょうがねぇじゃん・・。
「あんた、今更友達に気使ってんの?恋なんてねぇ、迷惑かけるもんなのよ!自分が、一番好きってことを相手に伝えんのよ!あんたは、恋がわかってない!恋におびえてんのよ!・・・・恋から、逃げてるだけだよ!」
・・・・・・なにやってるだろう。
なんで、結衣奈に説教受けられて何も動かないんだろう。
なんで、俺はこんなに弱いんだろう。