最後の1球
好きな女
―――――――――昼休み。
「おッ。空野の家のお弁当、今日はパンですか!」
友達の大沢陸が俺の前においてある弁当を見て言う。
「おーよ、チョコチップメロンパン」
「ハッ!?お前、普通のあんぱんいけよ!」
「やだし。俺が唯一食える甘いやつ」
俺は甘いのが大嫌いだ。
でも、その中でも唯一食える甘いヤツ。
そう、チョコチップメロンパン。
普通のメロンパンでもOK。
大沢は、ラーメンを頼んでいた。
「いいな、汁物」
「いいだろー」
あげるとか思えよ。
お前、それでも友達かよ。
ハアー。
「なぁ。空野」
「なんだよ」
俺が答えると、大沢は真剣な顔つきに変わった。
・・・・・・・・・何かあるな。