空に響く奏鳴曲-ソナタ-
私は本当にずっと一緒にピアノを弾いていられるって信じてたんだよ?



言い出しっぺがいなくなってどうすんのよ…。



奏多のバカ。





-トントン-



誰かに肩を叩かれた。



「ん…何…?」



目を開けると隣にハルが立っていた。



「ハル…。あ、もう授業終わっちゃった?」



私が尋ねるとハルはこくっと頷いた。



そして私に携帯の画面を見せてきた。



ー寝すぎ。ー



いつもと変わらず穏やかに微笑むハル。



肌が白くて綺麗な二重の目にミルクティー色の髪をしたハルは俗に言うイケメン。



女の私よりも綺麗だから隣にいるとなんだか申し訳なくなる…。



頭もいいし。



でもただ一つ、ハルは話すことができない。
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