レンタル彼氏~イケメン達とひとつ屋根の下~


「ありがとう。ん、アールグレイだね。」



「はい。紅茶好きなんですか?」



「うん。俺はアールグレイが一番好きなんだ。」



そう言ってティーカップを口にあてる智悠さんが、なんだか御伽話の王子様みたいに見える。



ほんと絵になるなぁ…。



「どうしたの?俺の顔に何かついてる?」



いつの間にか目の前にある整った顔に
驚いた私は思わず持っていたティーカップを落としてしまった。



━━━━パリンッ!



そう音を立ててティーカップは割れてしまった。



「あっ、ごめんなさいっ!
すぐ片づ…━━━いたっ!!」



私は思わず手を引っ込めた。
指先からは赤い血が出ている。

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