約束の代償
瑠璃が5歳の誕生日を迎えると
私の両親が黄色いクマのぬいぐるみを
瑠璃にプレゼントしてくれた。


ここのところ、体調が優れず
いつしか始まった息苦しい咳も止まらず
何度も病院を変えてみたものの
原因はいつも風邪で、特に変わった病名がつけられることもなく改善しないままだった。


その日は、瑠璃の5歳の誕生日だというのに
外出できる体力もなく、
見兼ねた両親が瑠璃を連れて
おもちゃ屋さんに連れて行ってくれたのだ。


おもちゃ屋から帰宅するなり、
黄色いクマのぬいぐるみを抱いて
大喜びしている瑠璃を見て
お母さんは、昔のモモちゃんと私の出会いの想い出を話しはじめた。


「本当に親子って似るものなのね。
まるで瞳の5歳の再現を
見ているようだったわ」


昔の懐かしい私を思い出して
幸せそうに笑うお母さんは
想い出話に花を咲かせていた。

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