約束の代償
今日は眠れない。
色んなことを考えてしまって
眠る気になれなかった。


もし、あの霊媒師の言うことが本当なら
私に残された時間はどれくらいなのか…

眠ったりしていたら時間がもったいないとさえ思った。

もしかしたら、もう2度と目が覚めないことが怖かった。


そしたら、2度と瑠璃に逢えなくなる。
守に抱きしめられることもなくなってしまう

そう思ったら涙が出て来た。


私は二階へとあがり瑠璃の部屋へと行った。



瑠璃の部屋の扉は少しだけこちらに光をさすくらい、開いていた。


瑠璃の声が聞こえる。


「パインちゃん、ママの体が良くなりますように。瑠璃の命削ってもいいから、
お願い!ママを治してあげて!」


瑠璃!

私は咄嗟に両手で口をおさえた。
瑠璃のひとことに涙が止まらなくて
声すら出てしまいそうだったからだ。


「ママ心配だね、でも瑠璃が命削るなんて言ったら、きっとママは哀しむと思うよ?」


守。
今すぐに2人のところに駆けつけて抱きしめたいと思った。


2人とも愛してるよ。


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