約束の代償
私、死んだの?


瑠璃に何も伝えられないまま死んだの?


それとも
最後の願いは届いたの?


モモちゃん!


瑠璃は助かるの?





何かに引き離されるような
強い力が私の体を押さえつけた。




瑠璃が
少しずつ私から遠ざかっていく。




私、云ってしまうんだね。



瑠璃から遠ざかっていく間に
これまでのことが
走馬灯のように思い出された。



私は、瑠璃に早く伝えようと車に慌てて乗り込み急カーブを曲がり損ねてトラックと衝突して即死したようだった。


これがモモちゃんとの契約だったんだね。


最期にバックミラーで見た
お母さんの言葉も気掛かりのまま


私はこの世を去って行かないとならなかった


幸せな日々。
でもその終わりはあっけないものだった。



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