歌う少女、笑う少年。

わかんなくなる。
彼女が泣いたこととか、成宮さんを何でそんなしつこく敵視して、僕に言ってくるのかも。

「ありがとう」

「だらん、だららーん、ぱーぱぱー」

胸が、痛い。
どうして、苦しいんだろう。

泣いてるのは、僕じゃないのに。苦しませてるのは僕なのに、なんで。

「鈴木くん……ごめ……」
「いや」

別に謝られるようなことなんて、ない。

いつの間にか、クラスの大半の人がこっちを、見ていた。
逃げたいけど、逃げられないよ。
< 10 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop