歌う少女、笑う少年。
わかんなくなる。
彼女が泣いたこととか、成宮さんを何でそんなしつこく敵視して、僕に言ってくるのかも。
「ありがとう」
「だらん、だららーん、ぱーぱぱー」
胸が、痛い。
どうして、苦しいんだろう。
泣いてるのは、僕じゃないのに。苦しませてるのは僕なのに、なんで。
「鈴木くん……ごめ……」
「いや」
別に謝られるようなことなんて、ない。
いつの間にか、クラスの大半の人がこっちを、見ていた。
逃げたいけど、逃げられないよ。