歌う少女、笑う少年。
「急に、改心した?」
にこりともせずに成宮さんがじっと僕の顔を覗き込む。
「急にって。言われてすぐ頑張ったんだけど。自分が合わせてて嫌なやつってことは理解したし」
「ふーん……キャラ変したって女子は賛否両論って感じだったけどー」
「そーかもね」
図書館で、コソコソ話をする。コソコソ話と言うだけあって、耳にかかる吐息が少しこそばゆい。
「わたしは、そっちの方が良いと思うけどねえ」
「そーか」
「うん、思ってること言った方がいいよ。それに、ちょっと庇ってくれてうれしかった!」
「庇って……あ、そっか、迷惑じゃないって話だったんだっけ。や、急に泣き出されてびっくりしたよー」