歌う少女、笑う少年。
奪っ……いや、ものじゃねえし。
だいたい僕の恋人では全然ないし。奪うもんもないでしょうよ。
「鈴木くんっ、何歌う?」
「え、うーん」
カラオケに着いた。取り敢えず、数人音楽選択の人が今歌ってるとかいう合唱曲を歌って、じゃー個人で歌いましょー、と委員長が言ったのを皮切りに隣の部屋では2次元最高を堂々宣言してる奴が2次元のアイドル曲をノリノリで歌ってるのが見えた。
僕あんまレパートリーないんだよなー。
「ははっ、古っ」
結局選んだのは父親がカラオケの度に歌ってて小さい頃からほぼ暗記してたかなり古い曲。