歌う少女、笑う少年。
『わたし、そういうひと、きらい』
ずん、と響いてる、言葉。
昨日から、ずっと、ずっと、ずっと。
『わたし、そういうひと、きらい』
流されてばっかで、ニコニコ笑ってやり過ごして、僕は、好かれてることを喜んでたんだろうか。
ただ、拒否するのがめんどくさかっただけ?
好きでもない人に好かれて、まんざらでもなかった自分がばかみたいだ。
「別に、僕は迷惑じゃないよ……」
一瞬、何かを言いかけた女子の口が、ぎゅっと結ばれた。
「なに、それ、いまさら」
うつむいて、ぼそり、と下に投げつけられた言葉。
いまさら、合わせてたのにやめたのってこと?
何でだろう、ちょっと、ムカついた。
女子たちは、僕の、何を好きになったの。
ムカつく。
こんな人たちに、合わせてた自分も。
こういう人たちにほだされて、ニコニコしてた奴らと一緒にいた僕も。
でも。
かたかたかた、と女子のひとりが震えてた。
「いまさら……」
泣いてた。