歌う少女、笑う少年。

「っえ」

僕、が、泣かせた?

なんで?

「ひどい」

「何が?」

「いまさら、やめてよ」

「何を……」

「わたし……わたし」
「みゆ」

女子のひとりが、泣いてる女子の背中をぽんぽんと叩いた。

「今は、言いたくない。……ね」
「ん?」
「わたしが、喋りたいときに喋るから、聞くこと約束してほしい」

どういう、ことだろう。
何か、言いたいことがあって、今は言えないから言いたい時に聞いてほしいってこと? ……そのままか。

「……いいけど」

何で、泣くんだよ。

何で、何で、何で。
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