君の隣で笑ってたいんだ
黒沢くん


「よく懲りないよねぇ

いい加減もう辞めたら?大学入ってからにしなよ」


私の頭をポンポンと叩きながら、遥が言う。


「いつだって本命だよ...
確かに、サッカー部ばっかりだったけどさ、」


そう。


私はサッカー部の人を好きになる。


なぜって?

そんなん決まってる。



カッコイイから!



ボールを蹴る姿も、グラウンドを駆ける姿も、試合の時の真剣な顔も、ユニフォームで汗を拭う姿も。


全部、カッコイイ。



もともとお兄ちゃんがサッカーやってたのもあって、ルールも知ってたし、よく試合を見に行ってた。



「サッカーやってる人じゃなきゃだめなの?
サッカーに関わってる人とか。

サッカー部にいるじゃん、男子マネージャー。...確か、3組の黒沢くん。」


「だめだよ。」


「なんで?」


「なんでって...

あの人、サッカー部の練習見てる人たちのことすごい嫌そうな顔して見るんだよ。

確かに、ちょっとうるさい時もあるけどさ。

でも、みんな応援する気持ちで見てるんだから、そんな邪険にする必要無いでしょ。

だから、あんな周りの人を嫌な気持ちにする人なんて、好きにならない。」



「はぁ...。

言っとくけど、サッカー部見てる人たち、相当うるさいからね?

嫌になるよ、そりゃ。

本人達真剣にやってんのに、キャーキャー騒がれて、集中できるわけないじゃない」


そうだけどさ...


「あんま人を嫌にいうのやめな。

あんたが嫌な人間に見えるんだから。


...あんたはそんな嫌な奴じゃないでしょ」


.........遥さん、めっっちゃツンデレ!!


可愛い!!!


「遥、大好き!!ありがと!」



思わず抱きつくと、


「ちょ、痛いよ やめて

さっさと次の教室行くよ」


って言って私の手振りほどいて行っちゃった。


遥、顔赤いの隠しきれてないよ。



「待ってよ遥~!!」



さり気なく私のこと褒めてくれる遥が大好きよ。私。




< 1 / 8 >

この作品をシェア

pagetop