君の隣で笑ってたいんだ
授業が終わって、来た時と同じように遥と教室に帰る。
「なんか珠希、元気ないね」
「うん...サッカー部メモ、どっかに落としちゃった」
「え、それ大丈夫なの?」
さすがの遥も驚いたみたい。
「頑張って探す...」
さすがにアレをなくしたのはやばい。
教室に戻ると、私の席のところに、見慣れたノートが。
「あっっ!」
思わず声を上げる。
「やっぱり...」
あった。誰だろ、これ持ってきてくれたの。
パラパラとめくると、今までなにも書いてなかったはずのページに文字が。
『ぶつかった時落としてった。それくらい気付けよ。
まぁ、分析はなかなか良かったと思う。
黒沢』
──な、なんだと。
よりにも寄ってあの黒沢くんに拾われ、中身を見られただと...?
嫌だと思いつつも、分析を褒められたことにちょっとどころじゃなく嬉しくなる。
「何よ、教室に入るなりでっかい声あげた上、すごい速さで自分の席向かって行ったけど、って、あったんだねそれ。」
私の手に乗せられたノートを見て遥が言った。
「黒沢くんだった......」
「ふーん、そうなんだ。
お礼しなさいね」
「えっっ」
「しなさいね?」
遥さん、威圧感半端ないっす。