夢から醒めた夢
人の気持ちなんて、すぐ変わるもの。
しかも、彼はセックスしないと生きていけないような人。
私が嫌だと言えば、すぐに他の人を探すんじゃないだろうか。
「覚悟していたとはいえ、本当に信用ないな」
少し傷ついたような表情で言う。
「まぁ、本当のことだから仕方ないけど、アイツらも余計なこと言ったな」
他の男メンバーの言葉がなかったら、離れることもなかったかもしれない。
それでも、直後に母親から聞いているから。
母親の言葉なら、誰よりも信用するものだ。
「でも、信用されていないけど、愛梨は俺のこと好きだよな?」
「えっ⁉」
なぜか、それを自信たっぷりに言われる。
驚いて、思わず後ろにずれた。
私は、そんな素振りを1度も見せた覚えはない。
一体どうして、自信満々に言えるのだろう。