夢から醒めた夢



「何で急に我慢の限界がきて離れていったのか分かんなかったけど、それがあったからね。
まぁ、女に違いはないけど、姉貴だから」

「お、お姉さん……?」

「そう。毎回かけてきたのは、心配性なだけ。
俺の今までを当然知っていた。そんな中で、本気で好きな人が出来たと言っても信用はしない。毎週逢っていると言っても、心配して電話してきた」

「仲、良いんだね」

「俺が遊びすぎていると迷惑なんだって。しかも、まともに恋愛をしていないから、相手を傷つけていないか心配だって。
まぁ、案の定こんなことになって、めっちゃ怒られたけど」



怒られたって、笑って言うことだろうか。

でも、あれだけ毎回かかってきたんだ。

相当心配していたということか。



「全部、本当にお姉さんばかり?」

「愛梨と再会してから、他の女と連絡を取ったことはない。合コンの時一目惚れして、悪いけど勝手に連絡先を入手した。その後すぐに、他の女は全て切った。そうしてからじゃないと逢えないと思ったから」




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