夢から醒めた夢
確かに、大人になっての歳の差はあまり気にならないかもしれない。
それでも、まだ若いってことは気になる。
「今まで色んな女に目移りはしてきたけど、全てヤる目的なだけ。付き合うとか結婚とか、考えたことなかったから。たぶん、相当しつこくなる。四六時中一緒にいたいし、触れていたい。外に出したくないって思うし」
「え……?」
「別に、監禁したい訳じゃないけど。今も正直、この距離さえももどかしい」
隣に座ってはいるけど、こぶし2個分ぐらいは離れている。
触れてはいないけど、十分近いと思う。
それなのに、もどかしいって。
「言っただろ、触れていたいって。こんなこと思うのは愛梨だけ。
今までヤるだけヤったらそれで良かったから。デートなんていうものだって、したことなかった」
「正直に言うね」
そこまで言うのかと不思議に思うんだけど、彼は真剣だ。
「信用してもらうため。
今までやってきたことは、今更なかったことには出来ないけど。これからは、変えられるから」