夢から醒めた夢
もう、ここまで言われたら信用するしかないんじゃないだろうか。
正直、不安しかない。
付き合っても、結婚までいけるかなんて分からない。
だけど、それは誰でも一緒だ。
お母さんにまで話しているんだから、生半可な気持ちではない。
だったら、私も自分の気持ちに正直になるべきじゃないのか。
でも、これで彼に心変わりされたら立ち直れないんじゃないか。
「愛梨の気持ちを正直に言えばいいんだ。結婚を考えるならそれでもいい。逃しはしないし、嫌いは受け付けないけど」
私は首を振る。
嫌いなんて、嘘でも言いたくはない。
「……結婚は、すぐにとは言えない。考えたことなかったから。でも、好きだから。ここまで来たら、もう逃げない」
「付き合ってくれる?」
確認するように聞かれて、静かに頷く。