夢から醒めた夢
10th*love session
慎吾くんにプロポーズをされてから、正式にお付き合いが始まった。
プロポーズされてからって、どうかと思うけど……。
そして、彼の願い通りに同棲を始めた。
その前には、お互いの家族との食事会が実施された。
結婚を決めた訳じゃないけど、ケジメとしてということらしい。
相手の親と逢うということで多少の不安はあったけど、それも杞憂に終わった。
うちの両親はもちろん、彼の両親も大喜びだったから。
むしろ、感謝された。
「いつか揉め事起こすんじゃないかって、心配していたのよ。それがまさか、1人に決めるなんて。しかも、慎吾の方がベタぼれだって分かるぐらいだから」
そう、家族での食事会なのに、慎吾くんは私の隣を譲らなかった。
親の前だろうがなんだろうが、私に甘かった。
私が恥ずかしいのなんておかまいなしだ。
「愛梨さん、ありがとう」
両親にそう言われるぐらいだから、食い物にしていたことは事実なんだろう。
それにしても、本当に隠してなかったんだ。