夢から醒めた夢
「まぁ、俺たちもそれに気づいたから、下手に手出しはしなかったけど……」
男たちの中での会話を聞くと、菜緒は不安になってきた。
「何?何か危ないの?」
そう菜緒が聞くと、男たちは顔を見合わせたあと、1人が答える。
「いいの?アイツ、女なら見境ないけど」
「えっ⁉」
今度は、菜緒が驚く番だった。
「どうしよう。愛梨ちゃんが……」
そう狼狽えたところで、どうしようもない。
「連れ戻すこと、出来ないの?」
「悪いけど、どこへ行ったか分からないから」
「家じゃないの?」