夢から醒めた夢
「でも、私はある程度のところで帰るからね。彼氏が欲しい訳じゃないし」
『うん、それでいいよ。ありがとう』
それから、明日の時間とかを聞いた。
伝え終わった菜緒は、明るく電話を切ったけど、私は気が重い。
行くと決めたのに、今でも嫌だなと思う。
でも、もう決まったものは仕方ない。
とにかく、用事があるとか言って早く帰ろう。
簡単に酔いはしないけど、あまり飲まないで帰ろう。
会費分、食べればいいんだ。
そう考えていたけど、そういう時に限って嫌なことは続くもので、仕事でミスして上司にこっぴどく叱られた。
しかも、それをやったのは私じゃなく、先輩だ。
なのに、連帯責任とか言われる。
一つも関わっていないのに、先輩も嘘をつく。
こういう時は、誰しも自分を守るものだ。
とはいえ、ある程度責任者の先輩がそれでは困るのだけど。
そんなことを言ったところで聞いてもらえる訳もなく、結局はただ怒られるだけ。