夢から醒めた夢



「でも、私はある程度のところで帰るからね。彼氏が欲しい訳じゃないし」

『うん、それでいいよ。ありがとう』



それから、明日の時間とかを聞いた。

伝え終わった菜緒は、明るく電話を切ったけど、私は気が重い。

行くと決めたのに、今でも嫌だなと思う。

でも、もう決まったものは仕方ない。

とにかく、用事があるとか言って早く帰ろう。

簡単に酔いはしないけど、あまり飲まないで帰ろう。

会費分、食べればいいんだ。


そう考えていたけど、そういう時に限って嫌なことは続くもので、仕事でミスして上司にこっぴどく叱られた。

しかも、それをやったのは私じゃなく、先輩だ。

なのに、連帯責任とか言われる。

一つも関わっていないのに、先輩も嘘をつく。

こういう時は、誰しも自分を守るものだ。

とはいえ、ある程度責任者の先輩がそれでは困るのだけど。

そんなことを言ったところで聞いてもらえる訳もなく、結局はただ怒られるだけ。




< 3 / 140 >

この作品をシェア

pagetop