夢から醒めた夢



その後、特に何もなく、飲んで食べて終わった。

一切話しかけられることもなく、話しかけることもなく。

ただ、大貴にラインを聞かれた。

母親までもがその会話を聞いていたものだから、断ることが出来なかった。

まぁ、当たり障りのない程度にすればいいか。

もし、恋愛の方へいけば断るだけのこと。



それから、当たり前だけど何も変わらない日々だった。

大貴は時々連絡してきた。

逢おうって話しじゃないからいいけど。

そして、不安に思っていた生理は、無事にきた。

本当に何もなくなった。

これでもう、思い出すことはない。

バカなことやったな、で終わるだけ。

親の飲み会も、彼が来るなら行かないと決めた。

とはいえ、元々そんなに呼ばれている訳じゃないけど。

もちろん、大貴にも逢わない。

どこで何が起きるか分からない。

私は別に、好意を寄せている訳じゃないから。


それでも世の中、何が起きるか分からない。

自分が望むことだけが全てじゃない。

むしろ、望まないことの方が多いのかもしれない。

私の日常は、合コンを境に崩れ去ってしまっているんだ。

そのことに、ようやく気づくんだ。




< 38 / 140 >

この作品をシェア

pagetop