夢から醒めた夢
4th*motion
親との飲み会から1ヶ月、不穏な空気は流れ始める。
「愛梨ちゃん?出なくていいの?」
菜緒と逢っている時に、スマホが鳴り出す。
私は、それをなぜか眺めるだけで出ない。
だから、菜緒が不思議そうに聞く。
「イヤ……知らない番号なんだよね」
「えっ?」
私の言葉を聞いて、菜緒がスマホを覗き込む。
番号のみで誰かは分からない。
少なくとも、電話帳にはない番号だ。
眺めている間に、電話は切れた。
「なんだったんだろう?」
菜緒が首を傾げる。
「んー……なんかね、ここ2、3日で何回かかかってきている」
「え?そうなの?同じ番号?」
「えっと……同じ番号だね」
履歴を見ると、全て同じ番号だった。
「同じ番号ってことは、間違いじゃないんじゃないかな?」
「えー、でも携帯番号だから嫌なんだけど」