夢から醒めた夢
気分は最悪。
家に直行して、ヤケ酒をしたい気分だ。
1人で先輩への愚痴でもこぼしながら。
だけど、さすがにドタキャンはマズイ。
菜緒に後々何を言われるか。
気分は最悪で乗り気ではないけど、菜緒との待ち合わせ場所に向かった。
「愛梨ちゃん?すごく、機嫌悪い?」
先に来ていた菜緒が、ちょっとだけ怯えたように言う。
それだけ、表情に出ているのだろうか。
「ちょっと、仕事でムカついた」
「え?何があったの?」
「先輩の仕事なのに、なぜか私まで怒られた。全然関係ないのにっ」
声に出せば余計腹がたってきて、語尾が強くなってしまう。
菜緒に対して怒っている訳ではないのだけど。
「先輩も、愛梨ちゃんは関係ないとか言わなかったの?」
「そんなこと言わないよ。少しでも自分が軽くなろうと、平気で嘘をつくのに」
そんな話しを歩きながらも続ける。
菜緒もそれに付き合ってくれた。