夢から醒めた夢
「脅されたの?尚更、行くの危なくない?」
「そう思うけど、行くしか道は残されていない」
母親と同じ会社にいる以上、逢うしかないんだ。
趣味がセックスだと豪語するようなヤツに、逢うしかないんだ。
それでも、警戒はする。
夜には逢わない。
人が多いところで逢う。
極力、2人きりにはならない。
ただ、同じ会社で働く人の娘に、これ以上手は出さないだろうと思う。
出せば出すほど、後々めんどくさいことになる。
それは、分かっているだろうから。
……なんて、考えは甘かった。
彼は、会社の人だろうが、その娘だろうが、関係ないらしい。
狙ったモノは、何にしても逃さないということか。
最初から、逃げることなんて許されなかったんだ。