夢から醒めた夢
5th*honey taste
夜に逢わないと言っておきながら、彼から連絡がないと身動きが取れない。
その連絡がいつ来るかも分からない。
でも、自分からする訳にはいかない。
私は、逢いたい訳じゃない。
だいたい、話しってなんだ。
私は話すことなんてないのに。
何で、こんなに緊張して待っていなきゃいけないんだ。
そんな文句を言ったところで、どうにもならないんだけど。
気を紛らわしいけど、何したらいいのか分からず、無意味に部屋の中をウロウロしていた。
そんな時に、スマホが鳴った。
待ち人来る。
時刻は、午後3時を過ぎたところだった。
「はい……」
『愛梨?』
「はい」
『今から大丈夫か?』
「え?あ、はい」
『家、どこ?』
「え?イヤ、出ますからいいです」
迎えに来られたら、身動きが取れなくなる。
『まぁ、いいか。じゃあ、出てきて』