夢から醒めた夢



急に何を言い出すかと思えば、料理のことだった。

1度作ったらなぜか喜ばれて、今では毎回作っていた。

逢う時間も長くなっている。

昼から逢って、ランチをすることもある。

そして、夕方頃に一緒に食料を買う。

それから、彼の家で作って食べた。

周りから見れば、普通のカップルかもしれない。

だけど、実際はそうじゃない。

好きとも、付き合おうとも言われていない。

ただ、ヤっているだけ。

まぁ、デートらしきものはしているんだけど。


こんなことでモヤモヤして、電話にイライラして。

完全に私は、言い訳出来なくなっている。

外見は良くても中身が最低な影山慎吾に、私は恋をしているんだ。


認めたところで、どうにもならない。

辛いだけかもしれない。

他に女がある以上、私たちは発展しない。

このまま、何も変わらない。



「まーた、難しいこと考えてる」



そう言って、額にキスをする。




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