夢から醒めた夢
それから数ヶ月も経っているものだから、この状況の変化にかなり驚いている。
「アリバイ協力してって言われた時からおかしいなって思っていたけど……。
やっぱり、あんな人を好きにならない方がおかしいのかな」
何に納得したのか、こくりと頷きながら言う。
「でも、何も確かめずに終わっちゃって良かったの?」
「確かめる必要はないよ。だって、見れば分かるんだから」
そう、他の女から電話があった時点で、確かめる必要はない。
私以外にもいるってことだから。
結局、毎週のように逢っていても、1人じゃ満足出来ないんだ。
「まぁ、普通は女の子と逢っているのに、他の女の子からの電話には出ないよねぇ。妬かせたいんなら別だけど」
「妬かせたいにしても、毎回はないでしょ。そしたら、離れていくって」
「確かにそうだね」
なんにしても、逆効果だよね。
だいたい、私はそれには当てはまらない。