夢から醒めた夢
他の4人も、類は友を呼ぶじゃないけど、それなりにイケメンだった。
でも、異彩を放つ彼には勝てないだろう。
何で、それほどのイケメンが合コンに来ているのか不思議に思ったけど、私には関係ない。
男の方の自己紹介もされたけど、誰1人覚えていない。
覚えるつもりもない。
私は男を漁りに来た訳じゃないから。
とにかく、私は目立たないように周りに合わせた。
「ねぇ、ねぇ。飲み物ないけど、同じのでいい?」
周りを見て、なくなっている人の飲み物を頼む。
それぐらいはする。
「愛梨ちゃん、名前覚えてよ」
「あー、ごめんね」
あまり悪いとは思っていない軽い返事。
こういう場だから許されるのだけど。
「そういう愛梨もないけど、まだ飲むよな?」
そう声をかけてくるのは、1番のイケメンだ。
この人の名前もなんだっけ?
イケメンだろうが、全然覚える気がなかった。