夢から醒めた夢
もちろん、こういう男は初めてだ。
そんな相手を好きになるのだから、自分の人生も分からないものだな。
「でも、愛梨ちゃんが思ったより元気で良かったよ」
「今はね。これでも、逢わないって決めた直後はヤバかったし、連絡が来なくなった時もね」
そう、決めるまで悩んだし、決めてからも断る時に痛みはあった。
連絡が来なくなった時には、1人で荒れた。
自分で決めたことなのに、何でって。
でも、やっぱりそういう相手でしかなかったんだって悲しくなった。
それでも、なんとか持ち直した。
手放したのは自分だし、ズルズルとヤってしまっていた自分が悪いから。
そう言い聞かせながら、自分を落ち着かせた。
ようやく落ち着いたから、菜緒にも話すことが出来た。
「ところで、菜緒の方はどうなの?街コン行ったんじゃなかったっけ?」
「そうなのー。実はね、付き合うことになったんだぁ」