夢から醒めた夢
『向こうから取らなくなった?』
「イヤ、私が返事するの忘れててそのまま。向こうからも来なかったし」
『そうなんだ……』
一体、なんだろうか。
そんなに気になるところかな。
「なんかある?」
『え?あ、特に何も。ただ、なんとなく』
やっぱり、歯切れが悪い。
『じゃあ、また土曜に』
「え?あ、うん」
歯切れが悪い状態で、すぐに切られた。
全然意味が分からない。
本当に、なんなのだろう。
私の珍しい恋愛事情が気になるのか。
27歳にもなって、独り身だから心配なのだろうか。
別に、彼氏がいなくても不便はないのに。
結婚する年齢だって、遅くなっているのに。
周りにとやかく言われて、付き合いや結婚はしたくないんだ。
その後、母親からも大貴からも何かあった訳じゃない。
少しだけ、モヤモヤしたままに土曜日を迎えることとなった。