夢から醒めた夢
8th*endless love
その日は、昼前に母親が迎えに来た。
父親はいなく、1人だった。
珍しく、外行きの格好。
家族で外出する時でも、基本ラフな格好なのに。
今日は、旅行へでも行くような格好だ。
一体、どこへ行くのだろう。
よく分からないままに、ランチをした。
そこでも、珍しく口数が少ない。
元々、多い方ではない。
お酒が入れば別だけど。
それでも、普通に話すはずなのに、今日はどこか上の空だ。
生返事が多い。
しかも、このあとのことを聞けば、必ず言葉を濁す。
ちゃんとした答えは返ってこなかった。
まぁ、ご飯を美味しく食べれたし、自分で払わずすんだからいいのだけど。
ご飯が終わってから、一言も話すことなく母親は車を走らせる。
話せる雰囲気じゃなく、私も黙ったまま助手席にいた。
外の景色を見ていたんだけど、どこへ行くのか見当もつかない。
その上、あまり通ったことのない道だ。
街中ではなく、どんどん外れていく。
民家すらなくなっていく。