夢から醒めた夢



真ん中にある通路を通って、中央ぐらいまで行くと、急にお母さんはそう言った。

誰かに向かって言っているのだろうけど、誰もいない。

まさか、外にいる人に向けている訳じゃないだろうし。


キョロキョロしていると、急に前から人が現れた。



「なっ……んで…………」



そこに現れた人物を見て驚いた。

だって、まさかこんなところで逢うことになるとは思わなかった。



「よくこんなとこ見つけたわね」

「探しました」



この2人の雰囲気からみると、示し合わせたようだ。

それに、お母さんは連れて来たと言った。

ということは、彼にそう言われたということだ。


何で?

もう終わったと思っていたのに。



「慎吾、約束は守りなさいよ」

「分かりました。もちろん、破ることはしません」




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