夢から醒めた夢
だって、私はそうじゃなかった。
割りきることなんて出来なかった。
見事にハマってしまったんだから。
「ちなみに、ヤり部屋なんて持っていないから。愛梨が来たとこは、正真正銘俺の家。ヤるだけの時は、ホテルか相手の部屋。
……でも、これ知っていたらもしかしてって思わないかな」
「え?」
もしかしてって、何を?
「愛梨って、彼氏いたことある?お母さんは、1人いたと思うけどって言っていたけど」
「ちょっ、何を話しているんですかっ。何でそんなことまで……」
「今日呼び出すにあたって、お母さんに全て言ったから。それで、聞けることは聞いた」
私の知らないところで、一体何をやっているんだ。
人のプライベートを勝手に話すなんて。
「確かに1人いましたよ。でも、それが彼氏と言えるか微妙ですけど。
ちなみに、私はセックス嫌いです」
「何で?」
「痛い記憶しかないので」