夢から醒めた夢
「え?あんなに気持ち良さそうにしていたのに?」
「それを言わないで下さいっ!」
私だって、信じられないんだから。
何であんなに求めたのかも。
だけど、なぜか彼は私の反応を見て嬉しそうだ。
私は恥ずかしくてたまらないのに。
そもそも、こんなこと言わなきゃいいのに、つられて言ってしまったじゃないか。
「愛梨は、それ以降いないんだ」
「いないですけどっ」
尚も笑顔で言うから、少しキツく返した。
いなくて不便はなかったけどね。
「俺はヤるだけ。彼女という存在は1度もいない」
「え?1度も?」
少し驚いた。
ヤるのもだけど、彼女なんていっぱいいたと思ってたのに。
全て、割りきった相手だけだということか。
「1度もない。正直、彼女を作ったら自由にヤれない。それが嫌だったから。
しかも、イケメンという外見しか見ないから。そういう子を諦めさせるには、セックス好きというのは使えたんだ」