呪い
「ハァー……」
思わず安堵のため息がもれた。
もうこれで安心だ。もうこれであの嫌な夢から解放される。
重かった体が急に軽くなったような気がした。
(そうだ。ゴミ箱を使ったお礼に……)
〈セブンティーン〉でも買っていこうと思いたって、雑誌コーナーへ行った。
〈セブンティーン〉はなかったが、漫画雑誌の〈デザート〉があったので、それを買うことにした。
レジで会計をすませて店を出るとき、男性の店員がゴミ箱のゴミを整理していた。沙樹の入れた人形も、大きなビニール袋の中に、他のゴミといっしょに入っているのが見えた。
もうこれで大丈夫。呪いの人形はゴミとして焼却場へ運ばれるだけだ。
薄暗くなってきた街中を、沙樹はスキップするような足取りで家へ向かった。