呪い
しかし、沙樹にはそれ以上考える余裕は与えられなかった。
男たちが切断した沙樹の頭部を再び胴体にくっつけた。
うぎ……ゃ……あ……あ、あ、あっ。
たちまち体の感覚が復活し、首の切断面をガスバーナーで火あぶりにでもされているかのような、激しい痛みにおそわれた。
助けてぇ。誰か……誰か……。
沙樹は切に願った。脳裏に九ケ沼康子の顔がふっと浮かんだ。
(ああ、あのとき、ちゃんと聞いておけばよかった)
と、思った。
どれだけ後悔しても、取り返しがつかなかった。
そして男たちはまた沙樹の首を太い皮ひもで縫いはじめるのだった。
……っ……っ……ぎ、ゃ、ああ………………。
沙樹の悪夢はもう終わることがない……。
〈了〉