君の本当をこの瞳で見つめて。
こんな時間に客引き?なんて思って、振りほどこうとしたけど、はっきりと私の名前をその人は呼んだ。
「堀川だよな!なんだ、こっち帰ってきてたのかよ!」
ばっと振り返ると、面影のあるその顔に記憶の糸を手繰りよせて記憶を集める。
でも急なことに、なかなか記憶と現実が上手く結びつかない。
そんな私を分かってか、自ら名乗り出てくれた。
「俺だよ!俺!相澤!中学の頃、三年間同じクラスだった」
「相澤……ああ!!相澤 裕治(アイザワ ユウジ)くん!!」
記憶と現実がよくやく結びついて、はっきりと名前を呼べた。
――会いたかった、私の想い人。
そんな人がこんなタイミングで現れるなんて、なんて展開なんだろう。
気合いの入れた化粧なんてしてないし、髪もただ一つに束ねただけの、やる気が感じられない女としか映ってないだろう。
やらかしたなと思いつつも、笑顔だけは忘れない。
というかなんでこんな所に、裕治くんが??
「裕治くん、こっちの町で仕事してるの?」
「いや、本当に地元だよ。たまたま用事あってここに来てたんだ。立ち話もなんだし、どっかで一緒にどう?」
近くのファミレスを示しながらも、もうそちらに向かおうとしてる相澤くんに釣られるように店の中へと入った。