君の本当をこの瞳で見つめて。
サラリーマンに学校をサボっているのかテスト期間なのかわからない高校生と、年代はバラバラな客層をちらっと見つつ、案内された二人席に腰を下ろす。
メニューに目を通すとそこにはしっかりと値段と、写真が載っている。
これが普通だけど、やっぱり壱目さんのお店のやり方も面白いなあ、なんて思ってメニューを眺めていると裕治くんがふっと笑った。
「なんか面白いものでもあった?」
「いや、そんなにメニューを楽しそうに見る人初めて見たっていうかさ。堀川が楽しそうだから、つい」
そう言って出されたお冷を、一気に半分飲み干した。
そんな裕治くんにバレないように、赤くなった顔をメニューで隠す。
笑った顔はあの頃と変わってないし、それどころか昔よりもかっこよくなっている。
スーツ姿でバッチリ決まった社会人って雰囲気だけじゃなくて、仕事もなんだってこなせるそんなオーラが溢れ出ている。
ああ……やっぱりもっと気合い入れてくるべきだった。
今更後悔した所で遅いから、せめて中身で勝負しなきゃ。
よしと想いを固めてメニューをそっと選び、裕治くんを見る。
ちょうど裕治くんもメニューを決め終わったみたいで、バチリと目が合った。