君の本当をこの瞳で見つめて。
またふっと笑われて、裕治くんがオーダーボタンを押すとすぐさま店員さんがやってきた。
各々のメニューを頼んで、料理が来るまでのそわそわする時間がやってきた。
何から話していいものなのか、どこまで聞いていいのか考えていると、裕治くんから先に話を切り出してきた。
「堀川はどう?仕事順調?」
「え、あ、うん。最初の頃はボロボロだったけど、今は雑草みたいに強く根付いた感じかな」
「あははっ堀川らしい。それにしても、都会で一人で生きてくなんてすげえよ。俺には無理」
褒められたことにまた顔の熱が上がったけど、それをなんとか抑えてありがとうと微笑む。
緊張していた気持ちが徐々に和らいでいくのが分かって、そこから私も質問をしたり、思い出話に花が咲いたり、構えていたはずの時間はあっという間に流れていく。
料理が運ばれてきた頃にはもう二人して大笑いをしていた。
懐かしいこの感覚に昼間だって言うのに、どんどんと酔っていく。
ああ……あの頃の気持ち消えてないんだなあ。
今までずっと気持ちに蓋をして、過去の話としてしまい込んでいた感情がじわりと溢れ出る。